コスト最適化


コスト最適化(Cost Optimization)【AZ-900対策】

コスト最適化(Cost Optimization)とは、クラウド利用にかかる費用を無駄なく使い、必要なリソースを適切なコストで運用することです。

クラウドは OpEx(運用コスト)モデルで柔軟に使えますが、適切に管理しないと不要な料金が発生します。
そのため、Azure ではコスト最適化を支援する仕組みが多数用意されています。


コスト最適化の考え方

コスト最適化の基本は次の 2 点です。

● 必要なリソースを必要な分だけ使う

過剰なスペックや未使用リソースを削減することが重要です。

● クラウドの特性(柔軟性・自動化)を活かす

スケール機能や従量課金により、適切なコスト運用が可能です。


コスト最適化の主な手法

1. 料金見積もりツールを使う

Azure にはコストを事前に見積もるための公式ツールがあります。

  • Azure Pricing Calculator(価格計算ツール)
     → サービス利用前の料金見積もりができる
  • TCO Calculator(Total Cost of Ownership)
     → オンプレミスとのコスト比較ができる

これにより、導入前に正確なコストを把握できます。


2. 自動スケールでリソースを最適化

アクセスが増えた時だけスケールアウトし、落ち着いたらスケールイン。
無駄なリソースを自動で削減できます。

  • App Service の自動スケール
  • VMSS(仮想マシンスケールセット)

3. 不要なリソースの削除・サイズ調整

コスト最適化の基本です。

  • 未使用の VM を停止する
  • 過剰なスペックのリソースを縮小
  • 古いバックアップや不要なストレージを削除

4. 予約インスタンスの活用

長期間(1〜3年)使用する VM やデータベースは、予約インスタンスにより大幅に割引されます。

メリット

  • 最大 72% 割引(サービスによって異なる)
  • 長期利用が確定している場合に最適

5. Azure Hybrid Benefit の利用

Windows Server / SQL Server の既存ライセンスを持っていれば、
Azure 上の VM でライセンス料金を節約できます。


6. コスト管理アラート

Azure Cost Management のアラートで、
「予算を超えそうなとき」「異常な消費があったとき」
などを通知できます。


Azure が提供するコスト最適化ツール

● Azure Cost Management + Billing

実際の利用状況を可視化し、コスト分析ができます。

● Advisor(アドバイザー)

利用状況に応じて、次のような提案を自動で行います。

  • VM のサイズ最適化
  • 不要リソースの削除
  • 予約インスタンスの推奨
  • セキュリティ改善案
  • 信頼性の改善案

コスト削減提案を確認する際に最も便利な機能です。


コスト最適化はなぜ重要か

  • 不要な支出を減らせる
  • 事業規模に応じて柔軟に運用できる
  • アクセス増加にも無駄なく対応
  • 従量課金の「メリット」を最大限活かせる
  • 予算管理が容易になる

コスト最適化は、クラウド運用の中心にある重要なテーマです。


AZ-900で理解すべきポイント

  • コスト最適化=無駄なコストの削減と適切なリソース運用
  • Pricing Calculator / TCO Calculator の目的
  • Azure Advisor の役割
  • 自動スケールと予約インスタンスが代表的な削減手段
  • Cost Management で利用状況を可視化できる