ヒストグラムの目的
ヒストグラムはデータの分布を視覚化するための基本的なツールであり、以下のような目的で利用されます。
正規分布かどうかの確認も重要な目的の1つですが、それだけに限らず、他にもさまざまな洞察を得ることができます。
1. データの分布を確認(正規分布かどうか)
- 線形回帰モデルでは、説明変数(特徴量)の分布が正規分布に近い方が望ましいため、各特徴量が正規分布しているかをヒストグラムでチェックします。
- もし大きく歪んでいる(右偏・左偏)場合、対数変換やBox-Cox変換が有効になる可能性があります。
正規分布の例(理想的な形):
📊 左右対称のベル型カーブ
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歪んだ分布の例:
📊 右に長く伸びる(右偏)
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→ 対数変換(log変換)を試す
📊 左に長く伸びる(左偏)
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→ 平方根変換やBox-Cox変換を試す
2. 外れ値の発見
- データの一部が極端な値を持っていないか確認。
- 極端に飛び出た棒グラフ(outliers)がある場合、外れ値の可能性が高い。
- 外れ値が多い場合:
- IQR(四分位範囲)を使って除去
- ロバストスケーリング(RobustScaler)を使う
3. データのスケールを確認
- 特徴量ごとにスケールが異なるかどうかを確認する。
- 例えば、一部の特徴量の値が0~1の範囲に収まっているのに、他の特徴量が100~1000の範囲を持つ場合、標準化(StandardScaler)が必要かもしれません。
4. 二峰性・多峰性の発見
- 1つのピーク(単峰性)ではなく、2つ以上のピークを持つ(多峰性)データは、異なるグループが混ざっている可能性がある。
- 例えば、不動産価格のデータで「都市部」と「郊外」のデータが混ざっている場合、多峰性の分布になることがある。
- 対策:
- クラスタリングを試す(KMeans, DBSCAN)
- カテゴリ変数を導入して分ける
📊 多峰性の例:
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→ この場合、データをクラスター分析して分けると良い
5. データの偏りをチェック
- 一部のデータが特定の値に集中している場合、モデルがそのデータに過剰適合(オーバーフィット)する可能性がある。
- 例えば、0付近にデータが密集している場合、
0
を含むデータが特別な意味を持つ可能性がある。
まとめ
ヒストグラムでの発見 | 可能な対応策 |
---|---|
正規分布に近いか | そのまま採用 |
歪んでいる(右偏・左偏) | 対数変換・Box-Cox変換 |
外れ値が多い | 外れ値の除去・ロバストスケーリング |
スケールが異なる | 標準化(StandardScaler)を適用 |
多峰性がある | クラスタリング・データ分割 |
データが特定の値に偏る | 分布を均等にするサンプリング |
したがって、ヒストグラムの目的は「正規分布の形状を確認すること」だけではなく、外れ値・偏り・データのスケールなど、データの性質全体を理解することにあるといえます!