税務会計|一般的な業務フロー

税務会計の一般的な業務フロー

税務会計とは、法人税、消費税、地方税などの税金を正しく計算し、税務署や自治体へ申告・納税するための会計業務です。

財務会計で作成された決算書をもとに、税法上必要な調整を行い、課税所得や税額を計算します。

税務会計の目的

税務会計の主な目的は、会社が納めるべき税金を正しく計算し、期限内に申告・納税することです。

  • 法人税を正しく計算する
  • 消費税を正しく計算する
  • 法人住民税・事業税を計算する
  • 税務申告書を作成する
  • 税務署や自治体へ申告する
  • 納税期限を管理する

一般的な業務フロー

税務会計の基本的な流れは、以下のようになります。

財務会計データ確定
 ↓
決算書作成
 ↓
税務調整
 ↓
課税所得計算
 ↓
法人税等の計算
 ↓
消費税の計算
 ↓
税務申告書作成
 ↓
電子申告
 ↓
納税

各工程の内容

1. 財務会計データ確定

まず、財務会計で入力された会計データを確定します。

売上、仕入、経費、固定資産、給与などのデータが正しく入力されているかを確認します。

  • 売上計上漏れがないか
  • 仕入や経費の入力漏れがないか
  • 預金残高が銀行明細と一致しているか
  • 売掛金・買掛金の残高が正しいか
  • 固定資産の登録が正しいか

2. 決算書作成

財務会計データをもとに、決算書を作成します。

税務会計では、この決算書を基礎資料として利用します。

資料内容
貸借対照表(B/S)会社の資産、負債、純資産を示す資料
損益計算書(P/L)会社の売上、費用、利益を示す資料
総勘定元帳勘定科目ごとの取引明細を確認する資料
試算表勘定科目ごとの残高を確認する資料

3. 税務調整

会計上の利益と、税法上の所得は必ずしも一致しません。

そのため、税法に従って加算・減算の調整を行います。

主な税務調整の例

調整内容概要
交際費の損金不算入会計上は費用でも、税務上は一部または全部が損金にならない場合がある
寄附金の損金不算入一定額を超える寄附金は、税務上の費用として認められない場合がある
減価償却超過額会計上の償却額が税法上の限度額を超える場合、超過分を調整する
引当金の調整会計上計上した引当金が、税務上は損金として認められない場合がある
受取配当金の益金不算入一定の受取配当金について、税務上の収益から除外できる場合がある

4. 課税所得計算

税務調整後、法人税の計算対象となる課税所得を計算します。

会計上の利益
 + 加算項目
 - 減算項目
 = 課税所得

課税所得は、法人税を計算するための基礎となる金額です。

5. 法人税等の計算

課税所得をもとに、法人税、法人住民税、事業税などを計算します。

税金内容
法人税法人の所得に対して国へ納める税金
地方法人税法人税額を基礎として計算される国税
法人住民税都道府県・市区町村へ納める税金
事業税事業活動に対して都道府県へ納める税金

6. 消費税の計算

消費税の課税事業者である場合、売上にかかる消費税と仕入・経費にかかる消費税を集計します。

売上にかかる消費税
 -
仕入・経費にかかる消費税
 =
納付する消費税

消費税では、課税売上、非課税売上、免税売上、課税仕入などの区分が重要になります。

消費税で確認する主な区分

  • 課税売上
  • 非課税売上
  • 免税売上
  • 不課税取引
  • 課税仕入
  • 非課税仕入

7. 税務申告書作成

計算した税額をもとに、税務申告書を作成します。

法人税申告書では、別表と呼ばれる複数の明細書を作成します。

申告書・資料内容
法人税申告書法人税額を申告するための書類
消費税申告書消費税額を申告するための書類
地方税申告書法人住民税や事業税を申告するための書類
勘定科目内訳明細書主要な勘定科目の内訳を記載する資料
法人事業概況説明書会社の事業内容や業績概要を記載する資料

8. 電子申告

作成した税務申告書は、電子申告システムを利用して提出することが一般的です。

  • e-Tax
  • eLTAX

e-Taxは国税の申告に利用され、eLTAXは地方税の申告に利用されます。

9. 納税

申告後、計算された税額を期限内に納付します。

主な納税方法

  • ダイレクト納付
  • インターネットバンキング
  • クレジットカード納付
  • 金融機関や税務署窓口での納付

納付期限を過ぎると延滞税などが発生する場合があるため、期限管理が重要です。

財務会計と税務会計の関係

税務会計は、財務会計で作成された決算書をもとに行われます。

日々の取引
 ↓
財務会計
 ↓
決算書作成
 ↓
税務会計
 ↓
税務申告
 ↓
納税

つまり、財務会計で作成された会計データが、税務申告の基礎になります。

財務会計と税務会計の違い

項目財務会計税務会計
目的経営成績や財政状態を報告する税金を正しく計算する
主な提出先株主、金融機関、取引先など税務署、自治体
基準会計基準税法
主な成果物決算書、試算表、総勘定元帳法人税申告書、消費税申告書、地方税申告書

税務会計と関連するシステム

税務会計は、会計システムや税務申告ソフトと連携して処理されることが多いです。

財務会計システム
 ↓
決算データ
 ↓
税務申告ソフト
 ↓
電子申告
 ↓
納税

関連するシステムの例

  • 財務会計システム
  • 固定資産管理システム
  • 販売管理システム
  • 購買管理システム
  • 経費精算システム
  • 税務申告ソフト
  • 電子申告システム

代表的な税務申告ソフト

  • 達人シリーズ
  • TKCシステム
  • 魔法陣
  • 勘定奉行クラウド申告奉行
  • PCA法人税
  • 弥生会計
  • freee申告
  • マネーフォワード クラウド申告

まとめ

税務会計は、財務会計で作成された決算書をもとに、税法に従って税金を計算し、申告・納税する業務です。

基本的な流れは、以下の通りです。

財務会計データ確定
 ↓
税務調整
 ↓
課税所得計算
 ↓
税額計算
 ↓
申告書作成
 ↓
電子申告
 ↓
納税

税務会計は、財務会計と密接に関係しており、企業が法令に従って適切に納税するために重要な業務です。