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クラウドコンピューティングの原則(AZ-900対策)
クラウドコンピューティングの原則とは
クラウドコンピューティングを安全に、効率よく、継続的に利用するための「基本的な考え方」です。
Azure だけでなく、AWS・GCP などすべてのクラウドに共通する基礎となる概念です。
クラウドでは、次の 5つの原則 を押さえておくことが重要です。
高可用性(High Availability, HA)
高可用性とは、システムが停止せず、いつでも利用できる状態を保つことです。
ポイント
- 障害発生時もサービスを継続したい
- 単一障害点(SPOF)をなくすことが重要
- 冗長化や自動切替(フェールオーバー)が役割を果たす
例:複数のサーバーで稼働し、1台が故障しても別のサーバーが処理を継続する。
スケーラビリティ(Scalability)
スケーラビリティとは、処理量の増加に応じてシステムを拡張できる能力のことです。
種類
- 垂直スケール(Scale Up)
- 水平スケール(Scale Out)
クラウドでは負荷に応じてスケールする仕組みが重要となります。
弾力性(Elasticity)
弾力性とは、必要なときに自動でリソースを増やし、不要になれば減らす仕組みのことです。
ポイント
- 「使った分だけ」消費するクラウドの特徴
- 無駄なコストを抑える要素
- オンデマンドでリソースが増減する
例:アクセスが急増した時に自動でサーバー数が増える → 減ったら自動で元に戻る。
俊敏性(Agility)
俊敏性とは、新しいサービスを短期間で展開・変更できる能力のことです。
ポイント
- 新機能の追加や変更が素早く行える
- クラウドの自動化・テンプレート化が強み
- 市場の変化に対応しやすい
例:数分で仮想マシンやデータベースを構築できる。
災害復旧(Disaster Recovery, DR)
災害復旧とは、大規模な障害が起こった場合にシステムを復旧させるための仕組みを指します。
ポイント
- データのバックアップが重要
- 異なる場所(リージョン間)にデータを保管する
- 災害時に復旧時間を短くする(RTO/RPO)
例:片方の地域で災害が起きた時、別の地域のクラウドが復旧を担う。
これら5つが「Azureサービスの仕組み」を理解する前提になる
高可用性・スケール・弾力性・俊敏性・DR は、クラウド設計の根本です。
この後に学ぶ「可用性ゾーン」「リージョン」「フェールオーバー」などは、
これらの原則を実現するための 具体的な Azure の技術になります。
先に原則を理解することで、Azure の用語がスムーズに理解できるようになります。