リージョン


リージョン(Region)【AZ-900対策】

リージョンとは、Azure のサービスが提供される地理的な場所を指します。
1つのリージョンは複数のデータセンターで構成されており、世界中に 60 以上存在します。

例:

  • 東日本 (Japan East)
  • 西日本 (Japan West)
  • 米国東部 (East US)
  • 東南アジア (Southeast Asia)
  • 欧州北部 (North Europe)

Azure でリソースを作成する際には、必ず「どのリージョンに配置するか」を選択します。


なぜリージョンを選ぶ必要があるのか

リージョン選択は非常に重要で、以下の理由があります。

1. レイテンシ(遅延)の影響

ユーザーに近いリージョンを選ぶことで、
アプリの応答速度が向上 します。

2. コンプライアンス(法規制)

国や地域によっては、
データを国内に保管することが義務化
されている場合があります。

3. 利用可能なサービスが異なる

Azure のサービスはリージョンごとに提供状況が異なり、
最新サービスは特定リージョンから優先提供 されます。

4. 災害リスクの分散

地理的に離れた場所を選択することで、
自然災害や大規模障害の影響を回避 できます。


リージョン選択の基本方針

一般的には次の優先順位で選択します。

  1. 利用者に最も近いリージョン
  2. 国内リージョン(コンプライアンス要件)
  3. 高可用性要件に応じた複数リージョン構成
  4. 提供サービスの有無
  5. コスト(リージョンごとに異なる)

日本国内の Azure リージョン

Azure には 日本国内に2つのリージョン があります。

  • Japan East(東日本) … 主に東京周辺
  • Japan West(西日本) … 主に大阪周辺

用途

  • 国内データ保持のための必須選択
  • DR構成(東日本→西日本)が組みやすい

リージョンと可用性ゾーンの違い

混同されやすい概念を明確化します。

概念説明
リージョン地理的な場所(例:東日本、西日本)
可用性ゾーン1リージョン内の物理的に独立したデータセンター群

違い

  • リージョン=「東京/大阪」
  • ゾーン=「東京の中の複数データセンター」

というイメージです。


リージョンとリージョンペアの関係

Azure はすべてのリージョンを「ペア」として紐づけています。

例:

  • Japan East ↔ Japan West
  • East US ↔ West US

特徴

  • 大規模災害時の復旧先として利用
  • Azure のアップデートはペアごとに段階的に実施
  • データ複製が安全に行われる

これは DR(災害復旧)の基盤となる仕組みです。


リージョン選択がシステムに与える影響

リージョンはクラウド構築の最初に決める重要事項です。

  • アクセス速度
  • コスト
  • 利用できるサービス
  • データの安全性
  • バックアップ・DR構成
  • SLA(稼働率)

すべてに影響するため、Azure設計では最優先で考える必要があります。


AZ-900で理解すべきポイント

  • リージョン=Azureのサービス提供エリア
  • 世界中に60以上
  • 国内要件・性能・サービス可用性に影響
  • 可用性ゾーンはリージョン内の仕組み
  • リージョンペアは DR の基盤
  • リージョン選択は設計上の最重要ステップ