可用性ゾーン


可用性ゾーン(Availability Zones)【AZ-900対策】

可用性ゾーンとは、1つのリージョン内に存在する、物理的に独立したデータセンター群 のことです。

Azure では、一般に 3つのゾーン(Zone 1 / Zone 2 / Zone 3) が存在し、
各ゾーンは互いに次の要素が完全に独立しています。

  • 電源
  • 冷却設備
  • ネットワーク
  • 建物

そのため、ゾーンごとの障害が発生しても、別のゾーンでサービスを継続 できます。


なぜ可用性ゾーンが必要なのか

複数ゾーンに分散配置することで、次のような強力な耐障害性を得られます。

● ゾーン障害でもサービスが止まらない

例:Zone 1 に大規模障害が発生しても、
Zone 2 / Zone 3 が稼働していればシステムは停止しません。

● SLA(稼働率)の大幅向上

ゾーン分散構成(ゾーン冗長構成)にするだけで、
SLA 99.99%(Four Nines) 以上の可用性が保証されます。

● ミッションクリティカルなシステムに最適

銀行、病院、大規模 EC サイトなど、
障害を許されないシステムで広く採用されています。


可用性ゾーンの構造

1リージョンに複数のゾーンがあります。
例(概念図):

Japan East(リージョン)
├── Zone 1(独立したデータセンター)
├── Zone 2(独立したデータセンター)
└── Zone 3(独立したデータセンター)

各ゾーンごとに独立した設備を持っているため、
片方のゾーンの障害が他に影響しません


ゾーン冗長構成とは

可用性ゾーンを活用して、リソースを複数ゾーンに分散する構成です。

メリット

  • 高可用性(HA)が実現できる
  • 障害耐性が大幅に向上
  • SLA が向上(99.99%など)

対応する Azure サービス

  • Azure VM(ゾーン配置 / VMSS)
  • Azure Storage(ZRS)
  • Azure SQL Database(一部 SKU)
  • Load Balancer(ゾーン冗長)

可用性ゾーンとリージョンの違い

概念説明
リージョン地理的な場所(例:東日本 / 西日本)
可用性ゾーンリージョン内にある独立データセンター群

例えでいうと:

  • リージョン:東京
  • ゾーン:東京の中の3つの独立ビル

というイメージです。


可用性ゾーンが提供されていないリージョンもある

すべてのリージョンで可用性ゾーンが提供されるわけではありません。

例:

  • Japan East … 対応
  • Japan West … 一部サービスは未対応

そのため、サービス提供状況を確認してゾーン設計を行う 必要があります。


可用性ゾーンとリージョンペアの違い

これも AZ-900 でよく出る混同ポイントです。

概念説明
可用性ゾーン1リージョン内の冗長化(小規模~中規模障害対策)
リージョンペア地理的に離れた2リージョン間での冗長化(大規模災害対策)

用途が完全に異なります。


AZ-900で理解すべきポイント

  • 可用性ゾーン=リージョン内の独立データセンター
  • 電源・冷却・ネットワークが独立している
  • ゾーン分散で高可用性(HA)を実現
  • SLA が大幅に向上する
  • リージョンとは別概念
  • DR ではリージョンペアを利用