目次
コンピューティングサービスとは
コンピューティングサービス(Azure Compute)は、
アプリケーションを実行するための計算リソースを提供するサービス群 です。
Azure では、仮想マシン、Webアプリ、サーバーレス、コンテナなど多様な実行モデルを用途に応じて選択できます。クラウドの強みである伸縮性・柔軟性・高可用性・迅速な構築を最大限に活かせるのが「Compute」領域です。
コンピューティングサービスの主な種類
Azure の代表的なコンピューティングサービスは以下の5つです。
1. Azure Virtual Machines(仮想マシン:IaaS)
必要な OS やミドルウェアを自由に構築できる、
最も柔軟性の高い実行環境です。
特徴
- 完全にカスタマイズ可能
- オンプレミスと同じ操作感
- Windows / Linux 両対応
- 可用性セットやゾーンで冗長化可能
2. Azure App Service(PaaS)
Web アプリや API を簡単に公開できる
扱いやすいプラットフォームサービス(PaaS) です。
特徴
- インフラ管理不要
- 自動スケール対応
- デプロイが非常に簡単
- Web / API / モバイルバックエンドに最適
3. Azure Functions(サーバーレス)
コードをイベントドリブンで実行できる
サーバーレスコンピューティング。
特徴
- サーバー管理不要
- リクエストが来た分だけ課金
- バックグラウンド処理に最適
- Logic Apps やイベントハブと連携しやすい
4. Azure Container Instances(ACI)
コンテナを最速で立ち上げるサービス。
特徴
- Docker コンテナを数秒で起動
- 仮想マシン不要
- 単体コンテナを手軽に実行したい場合に最適
5. Azure Kubernetes Service(AKS)
Kubernetes のマネージドサービス。
特徴
- 大規模コンテナ運用に必須
- スケールと自動管理が強力
- DevOps と相性が良い
- 高可用性・複数ノード構成
どのサービスを使えばよいのか?(比較の考え方)
| サービス | 管理範囲 | 特徴 | 適した用途 |
|---|---|---|---|
| VM(IaaS) | OS・ミドルウェアを管理 | 最も自由度が高い | 特殊構成・独自環境が必要 |
| App Service(PaaS) | アプリだけ管理 | Web公開が簡単 | Webアプリ・API |
| Functions (サーバーレス) | コードのみ管理 | イベント駆動 | バックグラウンド処理 |
| ACI | コンテナ単体を管理 | 高速起動 | 小規模コンテナ |
| AKS | Kubernetes管理 | 大規模・スケール | マイクロサービス・大量コンテナ |
選択の軸
- 管理の手間を減らしたい → PaaS / サーバーレス
- 自由に構成したい → VM
- コンテナ中心 → ACI / AKS
コンピューティングサービスで重要な概念(AZ-900)
● スケーリング
- スケールアウト(台数増)
- スケールアップ(性能増)
- 自動スケール(Functions/App Service)
● SLA と冗長化
- VM:可用性セット / ゾーン冗長
- App Service:ゾーン冗長プラン
- AKS:ノード冗長化
● 管理の責任範囲
IaaS / PaaS / サーバーレスで管理範囲が異なる。
まとめ
Azure Compute は、
アプリケーションを動かすためのあらゆる選択肢を提供する基盤サービス です。
IaaS、PaaS、サーバーレス、コンテナなど用途ごとに選ぶことで、
最適な運用コスト・性能・柔軟性を実現できます。