Azure Virtual Machines

Azure Virtual Machines（Azure VM）は、
クラウド上に自由に構成できる仮想サーバー（IaaS） です。

Windows / Linux を選び、オンプレミスのサーバーと同じように
アプリケーション・ミドルウェアを自由にインストールできます。

Azure VM の特徴

● 完全に自由なカスタマイズ

• OS：Windows / Linux
• CPU・メモリ・ストレージ構成
• ネットワーク構成
• 独自のミドルウェアやアプリもインストール可能

オンプレとほぼ同じ自由度があります。

● 用途に応じた多様なサイズ

VM には用途に応じて様々なシリーズがあります。

例：

• Bシリーズ：低コスト・汎用
• Dシリーズ：一般業務向け
• Eシリーズ：メモリ最適化
• Fシリーズ：CPU最適化
• Hシリーズ：ハイスペック計算

● 可用性（HA）構成が可能

Azure VM は高可用性のための仕組みを備えています。

• 可用性セット（Availability Set）
  • 複数 VM を物理的に分散
  • 更新ドメイン / 障害ドメインの概念
• 可用性ゾーン（Availability Zone）
  • リージョン内の独立データセンターに分散
  • SLA 99.99% を実現可能

● スケーリング対応

• VMSS（Virtual Machine Scale Sets）
  • 自動スケールアウト / スケールインが可能
  • 大規模アプリに最適

Azure VM の主な用途

• 既存オンプレシステムのクラウド移行（Lift & Shift）
• 独自ミドルウェアが必要なアプリ
• Webサーバー / バッチ処理サーバー
• データ分析基盤
• テスト・検証用の一時的なサーバー

Azure VM を構成する主要コンポーネント

● コンピュート

• VM のスペック（CPU、メモリ）

● OSディスク / データディスク

• プレミアム SSD、標準 SSD、HDD など
• OSディスクは必須、データディスクは追加可能

● 仮想ネットワーク（VNet）

• サブネット
• NIC（ネットワークインターフェース）
• パブリック / プライベート IP

● Storage Account（必要な場合）

• ブート診断ログなどの保存用

課金モデル

課金は基本的に 実行時間（従量課金） に基づきます。

• VM サイズ（CPU/メモリ）
• ディスク料金
• ネットワークアウト料金
• ライセンス（Windows Server など）

コスト最適化手段

• 停止（割り当て解除）で課金停止
• 予約インスタンス（1年 / 3年）
• Azure Hybrid Benefit

Azure VM のメリット・デメリット

【メリット】

• カスタマイズ性が非常に高い
• オンプレ環境の移行が容易
• アプリ要件に合わせた柔軟な構成
• 高可用性・自動スケールもサポート

【デメリット】

• OS やミドルウェアの管理が必要（パッチ・更新）
• コストがやや高め
• 運用負荷は PaaS より大きい

VM と他の Compute サービスの違い

サービス	管理範囲	特徴
VM（IaaS）	OSから上を管理	最も自由度が高い
App Service（PaaS）	アプリだけ管理	Webアプリが簡単に動く
Functions（サーバーレス）	コードだけ管理	イベント駆動で自動スケール
ACI	単体コンテナ実行	短時間処理向け
AKS	Kubernetes クラスター管理	大規模コンテナ運用

AZ-900で理解すべきポイント

• Azure VM は IaaS
• OS やソフトの管理はユーザーの責任
• 可用性セット・可用性ゾーンによる冗長化が重要
• VMSS で自動スケールが可能
• 課金はリソース使用量に基づく
• オンプレからの移行先として最も現実的な選択肢