Azure Container Instances（ACI）

Azure Container Instances（ACI）は、
コンテナを最も手軽に、最速で実行できる Azure のサービス です。

Docker コンテナを数秒で立ち上げられるため、
「とりあえずコンテナを動かしたい」という場面で非常に便利です。

ACI の特徴

● 仮想マシン不要でコンテナを起動

通常コンテナを動かすには VM や Kubernetes が必要ですが、
ACI は インフラの準備なしで即時実行 できます。

• VM の作成不要
• OS 管理不要
• Kubernetes クラスター構築不要
  → コンテナのイメージだけあれば OK

● 数秒でコンテナが起動

ACI の最大の特徴は 起動の速さ です。

• 数秒で起動
• スケール必要なし（単体コンテナ向け）
• テスト・一時実行に最適

● 従量課金（秒単位）

ACI は使用したコンピューティング量だけで課金されます。

• CPU コア数
• メモリ量
• 実行時間（秒単位）

→ 実行しなければほぼ料金ゼロ。

● VNet に統合可能

ACI は VNet（仮想ネットワーク）に参加可能です。

• セキュアな内部コンテナ実行
• App Service や VM と連携
• バックエンドとして利用可能

● Azure Kubernetes Service（AKS）との連携

ACI は AKS と組み合わせて使用できます。

• AKS の「Virtual Kubelet」として動作
• 突発的な負荷に ACI を自動的に使う（Bursting）
  → スケールアウトを簡単に実現

ACI の主な用途

● ① 試験環境・開発環境での一時的なコンテナ実行

• 動作確認
• 開発者用テスト環境
• コンテナの単発実行

● ② バッチ処理の実行

• 定期実行バッチ（Functions と併用）
• 計算処理
• ファイル加工処理

● ③ AKS のスケール補完（Bursting）

AKS の負荷が一時的に増えた際に
ACI を使って自動的に拡張できます。

● ④ VNet 内部での軽量コンテナサービス

小規模 API やバックエンド処理にも利用できます。

ACI の構成要素

要素	役割
コンテナグループ	ACI で動かす単位。複数コンテナをまとめて管理可能
コンテナイメージ	Docker Hub や ACR から取得
CPU / メモリ	必要量を指定して実行
IP	パブリック IP or VNet 内プライベート IP

ACI と他サービスの比較

サービス	特徴	用途
ACI	最速でコンテナを実行。単体向け。	テスト、一時コンテナ、軽量処理
AKS	本格的なコンテナオーケストレーション	大規模システム、マイクロサービス
VM	カスタム自由度が高い	コンテナホスト、特殊要件
App Service	PaaS で簡単にWebアプリを動かす	Web公開、API

ACI は「簡単」「早い」「軽い」が強みで、
本格運用＝AKS、単体実行＝ACI と覚えると良いです。

AZ-900で理解すべきポイント

• ACI は インフラ不要でコンテナ実行ができるサービス
• VM や Kubernetes を使わずに、即座に起動可能
• 従量課金で低コスト
• スケール管理は不要（単体向け）
• AKS と連携してスケール補完（Bursting）が可能
• テスト・単発実行・軽量タスクに最適